第69章 和田美咲帰国

午後、彼女たちはスヌーカーサークルの練習へ向かった。リーグ戦は終わったものの、スヌーカーサークルでは感覚を維持するため、日常的な練習は続けている。山田祥生も今日は来ており、部員全員を招集して学園祭のイベントについて話し合っていた。学校一のサークルとして、それなりの出し物を一つは用意しなければならない。

しかし、その場では誰も口を開かず、互いに顔を見合わせては譲り合うばかりだった。この連中は試合に出るのは我先にと競うくせに、舞台でパフォーマンスとなると、恥をかきたくない一心で誰もやりたがらない。別に芸がないわけではない。岡本凜太郎のピアノの腕前は見事なものだが、本人が乗り気でないため、誰...

ログインして続きを読む