第72章

その後、山口夏美は黒田さんを診療所に連れて行き、軟膏を塗ってもらった。幸い、大した怪我ではなかった。しかし、和田美咲の挑発は、山口夏美の祭りイベントに対する姿勢をより真剣なものにさせた。彼女が得意とするダンスで打ち負かしてやれば、もう得意げな顔はできなくなるだろう。

北村由紀はその話を聞くと、憤慨して言った。

「和田美咲って、もっとデキる子だと思ってたのに。ダンス部を率いて、大勢の男子と張り合ってるし、ダンスが本当に上手いのは確かだから。でも、まさかこんなに理不尽だなんて。噂を鵜呑みにしてあなたを目の敵にするなんて、岡本凜太郎たちがいてくれなかったら、殴られてたかもしれないじゃない!」...

ログインして続きを読む