第101章 彼女はそもそも妊娠していない

車に引きずり込まれるように乗せられ、後部座席で泰然と構える二宮慎矢を見た瞬間、二宮佳乃はようやく腑に落ちた。

――兄が、こんな都合よくここにいるはずがない。

つまり最初から知っていたのだ。義姉がこの病院にいることを。

それでいて、あの男がこの怒りを飲み込める? そんなはずが――。

二宮慎矢はノートパソコンの画面から視線を外さず、横目だけで佳乃を射抜いた。

「最後だ。二度とこの病院に来るな」

「ちょ、待ってよ兄貴! なんで!? 義姉さんを連れ戻すって言ってたじゃん!」

佳乃は理解できない、という顔で慎矢を見た。……まさか、焦りすぎて頭が回ってないとか?

慎矢は前方へ顎を向ける。...

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