第104章 私はあなたの弱点にはならない

江森美鈴はベッドの上で跳ね起きた。半分眠ったまま耳に入ってきた言葉が、頭の中で何度も反芻される。

「白崎亮介が来た」

慌てて身を起こしてベッドを降り、顔を上げたところで、ソファに座っている二宮慎矢の存在に気づく。

彼はじっと彼女を見つめ、一瞬の戸惑いを余さず目に収めた。やがて立ち上がり、ゆっくりと近づいてくる。

「行きたいのか?」

美鈴は片方のスリッパをまだ履けていない。片足だけ素足のまま、カーペットに触れている。言葉は出なかった。

二宮慎矢はしゃがみ込み、彼女の足首をつかんで、もう片方のスリッパを履かせる。美鈴の足が反射的に引っ込もうとした瞬間、手の力がわずかに強まった。

履...

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