第107章 自分を餓死させたいのか?

二宮慎矢が風呂を上がって浴室から出ると、江森美鈴が絨毯の上に倒れていた。

彼は足早に駆け寄り、抱き上げてベッドへ寝かせる。午前中にいったん下がった高熱が、またぶり返していた。身体じゅうが焼けるように熱い。

こめかみには冷や汗が滲み、顔色は紙みたいに白い。生気というものが、どこにも見当たらなかった。

慎矢は少し冷えた自分の前腕を彼女の額に当て、もう片方の手でスマホを掴むと牧野達也へ電話をかけた。

その頃、牧野達也は二宮家の実家にいた。電話に出るなり、スピーカーにして冗談めかして言う。

「まだ来ないのか? 高野家のお嬢様と新谷さんが、首を長くして待ってるぞ」

隣に座っていた新谷理子が...

ログインして続きを読む