第11章 江森美鈴、一体誰にその澄ました顔を見せているんだ

病院に着いた途端、江森美鈴の胃がきゅっと痙攣した。反射的に腹を押さえ、そのままエレベーターへ乗り込む。

夕食はまだ。ここ二年、食事はまともに取れたり取れなかったりで、胃を何度も壊してきた。

江森浅子はベッドの上で意識を失ったまま。白崎亮介が白衣姿で傍らに腰掛けている。

美鈴が入ると、彼は立ち上がり、心配そうに歩み寄った。

「顔色が悪い。大丈夫か?」

美鈴は焦って首を振る。

「私は平気です。採血はどこで?」

白崎は「先に少し休め」と言いかけたが、彼女の落ち着きのない様子を見て、結局言葉を飲み込んだ。

看護師に案内され、採血室へ。血が少しずつ抜かれていくにつれ、頭の奥がぐらりと揺...

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