第119章 これからは勝手にウロウロしちゃダメだ

雪の白さがいっそう際立つせいか、新谷理子の顔色はますます青ざめて見えた。

彼女は鼻で笑った。けれど、その笑みはどこか引きつっている。

「だから何? そもそも、あんなこと私やってないし。仮に私だとしても――今ここ、警察署の前よ? 中のどの警官が、私を捕まえられるっていうの」

「江森美鈴。証拠もないくせに、私に何ができるの」

「別に、警察に捕まえさせるつもりはないわ」江森美鈴はふっと笑う。

「味方がいなくなること。指をさされること。嘲られて罵られること。牢屋に入るより面白いことなんて、この世にいくらでもあるもの」

美鈴の表情はどこまでも静かだった。だがコートのポケットに入れた片手だけ...

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