第128章 美鈴、僕たちもかつては愛し合っていたんだ

江森美鈴はキーボードに置いた手が、ほんの一瞬だけ固まった。頭の中が真っ白になる。

彼が自分で麺を茹でたなら、こんなに早いはずがない。しかも、さっきまで足音すら聞こえなかった。

我に返って電源ボタンを叩いた瞬間、もう後悔していた。本当はブラウザを閉じるべきだったのだ。電源を切ったところで、意味がない。

それでもノートパソコンは落ち、画面は真っ黒になった。

二宮慎矢が近づいてくる。彼は彼女を見下ろし、鼻で笑った。

その笑いには嘲りが混じっていた。美鈴を笑っているようで、どこか自分自身を嗤っているようでもある。

結局――また、彼のほうが彼女を見誤った。

慎矢は彼女の隣に腰を下ろし、パ...

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