第163章 死ぬまで絡みつくことを選んでも、他人同然にはならない

江森美鈴は扉の脇にへたり込み、そのまま――ガチャ、と鍵が回る音を聞いた。

身体がびくりと強張り、後ずさるようにして数歩、下がる。

二宮慎矢が救急箱を提げ、無言で入ってきた。彼女が慌てて外へ出ようとした瞬間、鼻で笑い、背中越しに扉を閉める。

鍵の位置を探ろうと立ち上がった彼女へ、冷えきった声が飛んだ。

「ここまで来て、まだ逃げられると思ってるのか?」

震えの混じる声が返る。

「……いったい、何がしたいの?」

「何がしたい、だと? 聞くのが遅すぎるだろ」

慎矢は彼女の腕を掴んで引きずり、ソファの前まで連れていくと、そのまま押しつけるように座らせた。

もがいた拍子に、両手が何かで...

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