第180章 二宮慎矢が嫉妬で目を赤くする

江森美鈴は二宮慎矢と視線を合わせ、くすりと笑って挨拶した。

「二宮さん、こんにちは」

二宮慎矢の視線が、宮沢和也の――彼女の肩に回された手に吸い寄せられているのがわかった。しかも内心、面白くなさそうだ。だから美鈴は、あえて宮沢に抱かれたままにしておく。

二宮慎矢の目つきは沈んだまま。そこへ高野里香が一歩近づき、右手を差し出した。声は柔らかい。

「二宮社長、またお会いできましたね。今朝、父も話していたんです。ぜひ一度、うちでお食事でもって」

「そうですか」

二宮慎矢は美鈴から視線を外し、目を細めて里香の手を握り返した。

――後半は、どう考えても江森美鈴に聞かせるための台詞だ。

...

ログインして続きを読む