第185章 美鈴、君がとても恋しい

二宮慎矢は掌を握り拳にし、張り詰めた顎がかすかに震えた。真田健太の車が走り去るまで、彼は一言も発しなかった。

――言われたとおりだ。

かつての江森美鈴は、二宮慎矢を拒んだ。

そして今の小林美優も、江森美鈴と関係があろうとなかろうと、二宮慎矢に好意など抱くはずがない。

なのに、わからない。

自分はどこで間違えた? いったい、何を間違えた?

二年前、江森美鈴が海に落ちる前。彼なりに償おうとしていた。歩み寄り、譲り、できる限りを尽くしていた。

二年後、彼女に似た小林美優に対しても同じだ。あの女のほうが先に、あんな言葉を吐いた。関わりを断つ、と。

加藤は、黒い顔で立ち尽くす彼を見て、...

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