第188章 彼の視線は、露骨でいやらしく、そして遠慮がなかった

江森美鈴は横目で見た。高野里香とほかの同僚たちが、そろってこちらを見ている。答え待ち、という空気。

彼女はふっと笑って言う。

「私が見たのは握手してたところだけ。ほかは知らない」

それを聞いた途端、輪になっていた数人が「ほらね」とでも言いたげな顔になる。

「やっぱり握手したんじゃん」

「二宮グループとの契約なんて、少なく見積もっても何千万って規模でしょ。そんな話なら、社長自ら出向く必要なんてないじゃない。高野里香、もう認めちゃいなよ。二宮社長、絶対あなたに気があるって」

「高野里香、認めなよ。二宮社長、絶対あんたに気があるって」

「もう、やめてってば……! それ以上言わないで!...

ログインして続きを読む