第19章 二宮さん、私はもともと汚れている

新谷理子の白い顔に、無理やり殴られたみたいな青紫が浮いていた。立ち上がり、口元だけで笑う。ぎこちない笑み。

「おばあちゃん、おじさん、おばさん。じゃあ私、慎矢と一緒に行ってくるね」

二宮恵の目に、ほんの一瞬だけ憐れみがよぎった気がした。けれどすぐに、いつもの柔らかな声になる。

「ええ、早くお行きなさい。夜は冷えるから、慎矢に上着を持たせてあげて」

「はい。そうします、おばさん」

理子は従順に頷き、足早に家を出た。

――追いかけて外へ出たときには、もう遅い。

二宮慎矢はすでに車に乗り込み、アクセルを踏み込んで走り去っていた。待つ気配など、欠片もない。

理子は玄関先で固まった。爪...

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