第195章 二宮さん、あなたの涙は遅すぎた

彼らが話している間に、江森美鈴はそっと手を引き抜き、宮沢和也と一緒に病室へ戻った。

夜はもう更けていた。ベッドに横たわると、ようやく周囲が静まり返り、そのまま深い眠りに落ちていく。

うつらうつらする意識の底で、真田健太がもう一度入ってきた気がした。枕元に黙って長いこと座り、やがて何も言わずに出ていった――そんな気配だけが残る。

目が覚めたのは夜更けも夜更けだった。額には汗がびっしょりで、枕が広く湿っている。けれど、それは汗だけじゃない気もした。

手を上げて目元に触れる。指先が濡れた。

息を呑むほどの闇の中、巨大な孤独と虚しさが、いきなり胸の奥へ雪崩れ込んでくる。

頭の中で、二つの...

ログインして続きを読む