第196章 ママ、もう私のこといらないの?

二宮慎矢はそれ以上言葉を続けず、立ち上がると掠れた声で言った。

「早く中に入れ。外は冷える」

そうして扉を開け、その場を去っていった。

江森美鈴はそのまま座り続け、空が少しずつ白んでいくのをぼんやりと眺めていた。頭は重く、いったいどれほどの時間そうしていたのか、自分でも判然としない。

途中、宮沢和也が一度だけ様子を見に来た。扉を少し開けて彼女がそこにいるのを確認すると、それ以上は何も言わず病室へ戻っていった。

立ち上がった瞬間、両脚はすっかり痺れていて、身体がふらりと揺れた。壁に手をついて、数度、息を整える。

もう一度扉を開ける。廊下は相変わらず静まり返っていたが、出口の方から足...

ログインして続きを読む