第199章 私にどうしろってんだ、殺すのか?

牧野達也は、江森美鈴を信じていいのか判断がつかない様子だった。だが彼女がああ言い切った以上、病室には入らず、廊下の長椅子に腰を下ろして待つことにした。

江森美鈴は、不安げな牧野達也を淡い笑みでひと目見てから踵を返し、自分の病室へ戻る。

ドアが閉まった瞬間、顔に浮かんでいた笑みはすっと消え、冷たい無表情に変わった。

ほどなくして医師が入ってきて体温を測り、「熱は下がっていますね」と告げる。もう一日だけ入院して経過観察、そのうえで抗生剤の点滴を落とす――そんな指示だった。

江森美鈴はベッドの縁に腰掛け、服のポケットから果物ナイフを取り出してテーブルへ戻す。するとソファに座っていた宮沢和也...

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