第201章 離婚してもいいが、条件がある

江森美鈴は何も言わず、宮沢和也に肩を押さえられるまま身を任せた。彼が我に返って手を離すまで、ただ黙って。

美鈴は彼を見上げ、落ちた声で言った。

「先輩。私、一度も楽になったことない。ここ何年も……一日だって、楽になったことない」

「彼は必死で私をあの海から引き上げてくれた。でも、あれは私にとって幸運じゃない。不幸だった。この数年、毎晩のように夢を見るの。あの海で浮いたり沈んだりしながら、彼が私の隣で……少しずつ沈んでいくのを」

「もう終わった話だろ。なんで放せないんだよ。死んだ奴は死んだんだ。せっかくの暮らしを捨てて、まだ何がしたい?」宮沢和也は苛立った目で美鈴を睨んだ。

廊下の向...

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