第205章 彼とは別々の部屋で寝るのよ

江森美鈴が車に乗り込んだ途端、真田健太から電話がかかってきた。

出ると、向こうの声が飛んでくる。

「どこにいるんだ? 江森美鈴。病院にいなかった」

その呼び方に、江森美鈴は一瞬だけ固まった。けれどすぐに腑に落ちる。牧野達也が彼女の本当の身元を知った以上、真田健太の耳に入っていても不思議じゃない。

「真田さん。午前中に退院しました。今、仕事が終わったところです」

「健太って呼べ」

「はい、真田さん」江森美鈴は真面目に返す。

向こうが小さく息を吐いた気配がした。

「明日の午後、個展だろ? どうして俺に招待状の一枚も寄越さない」

「あ……」江森美鈴は横目で宮沢和也を見て、小声で確...

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