第208章 二宮慎矢が江森美鈴を連れ帰る

江森美鈴は横目で田中実里をじっと観察した。正直、ひとつだけ聞きたい。――この子、本当に自閉症なの?

美鈴が視線を向けると、実里もまた、何も悪いことをしていない顔でこちらを見返してくる。さらにその隣では、二宮慎矢が「自分は関係ありません」とでも言いたげな表情で座っていた。

美鈴は一秒だけ黙り込み、実里を抱き上げて膝の上に乗せると、車内でいちばん二宮から遠い窓際の席にそのまま座り直した。

実里が小さな声で言う。

「ママ、みのり重いよ。真ん中に座ってもいいよ」

今どきの子どもって、頭の中にそんな気遣いまで詰まってるの?

美鈴は眉を寄せたまま答える。

「大丈夫。ママ、抱っこしてるの好き...

ログインして続きを読む