第22章 江森美鈴と新谷理子、ふたりの対峙

その咳払いひとつで、場の視線がいっせいに江森美鈴へ集まった。まるで、わざとやったみたいに。

二宮慎矢は含みのある目で彼女の顔をひと撫でし、淡々と告げる。

「理子は身内だ。通していい」

加藤が慌てて恭しく返事をし、入室を促した。

新谷理子は体にぴたりと沿う白いスーツ姿だった。いつもの柔らかな雰囲気より、どこか大人びた気配が強い。

昨夜、怒りで一睡もできなかったはずなのに、今は驚くほど落ち着いている。江森美鈴へ視線を向け、ふわりと笑った。

「江森さんも、どうしてこちらに?」

江森美鈴は俯いたまま食事を口に運び、答えない。

頭の中は実里と母のことでいっぱいだ。新谷理子の芝居に付き合...

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