第23章 二宮慎矢の子を身ごもった

「ふざけないで! 江森美鈴、言っとくけど……夢見るのも大概にしなさい!」

新谷理子は全身を震わせるように叫んだ。だが胸の奥では、抑えきれない不安が膨れ上がっていく。

兄の命まで計算に入れて、慎矢が「哀れみ」で自分を娶るよう仕向けた。ここまでして手に入れた男を、この女に奪い返されるわけにはいかない。

江森美鈴は少し立っていただけで脚が悲鳴を上げ、疲れたように椅子へ腰を落とした。

目の前の理子は、明らかに限界寸前だ。だからこそ、美鈴は静かに口を開く。

「私に娘を連れてここを出させて。そうしたら、二度とあなたたちの間に割り込まないって約束する」

一拍置いて、淡々と続けた。

「……それ...

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