第28章 真田さん、江森美鈴は今は俺のものだ

二宮慎矢の視線が、真田健太が江森美鈴の腕を掴んでいるその手へ、ふわりと落ちた。

瞳の奥には穏やかな笑みが浮かんでいる。けれど、その下に沈むのは底なしの氷。

江森美鈴は感電したみたいに腕を引き抜き、かすれた声で言った。

「真田さん、こんばんは」

真田健太は、失った宝物を取り戻したような狂おしい歓喜に顔を歪め、江森美鈴の反対側に座っていた男の肩を叩いた。

「高野さん、そこ俺が座る」

男は慌てて立ち、席を譲る。全員が揃うと、店員が料理を次々と運び込んできた。

二宮慎矢が伏し目がちに自分を見ている気配が、江森美鈴の肌を刺す。息の置き場がない。

真田健太が身を寄せてくる。

「美鈴、こ...

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