第29章 新谷理子が駄々をこねて大騒ぎする

深夜。二宮慎矢は二階へ上がってシャワーを浴びに行き、江森美鈴は田中実里とリビングで積み木遊びをしていた。

小さな家がようやく形になった、そのとき。

加藤が血相を変えて飛び込んできた。

慎矢の姿が見当たらず、加藤は困ったように美鈴へ視線を向ける。

「え、江森さん……旦那様は? 新谷さんが騒いで押し入ろうとしてまして、包丁まで持ち出して『死ぬ』って……」

美鈴は手にしていた積み木を置き、きょとんとする。

「……それなら、どうして入れないんですか? 二宮さん、新谷さんは自由に出入りしていいって言ってましたよね?」

新谷理子が騒いでくれるなら、美鈴にとってはむしろ好都合だ。

慎矢が罪...

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