第36章 骨の髄まで痛む

脳内を貫くような激しい耳鳴り。喉の奥に、甘く生臭い鉄の味がせり上がる。臓腑のどこかで滲んでいた血が、また逆流してきたのだろう。

江森美鈴は力なく目を閉じた。痛みに全身がぶるぶる震え、しばらくしてから、ふっと笑って口を開く。

「私が言ったら……新谷理子にやられて、病院に捨てられたって。信じる?」

二宮慎矢は拳を振り上げ、車のドアに叩きつけた。鈍い衝撃音が車内に響き、彼の苛立ちはほとんど制御を失っている。

「江森美鈴。今さら嘘をつくにしても、その程度か?

理子がやった? じゃあ、あのヒモに会いに行ったのも、理子に脅されたって? 警察に俺を告発したのも、理子のせいか? なあ?!」

距離...

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