第38章 二宮慎矢は結婚を急かされる

再び目を開いたときには、もう翌日の午後になっていた。

最近は悪夢ばかり見る。はっと飛び起きるたび、額には冷たい汗がにじむ。

ベッドを抜けて部屋を出ると、階下のリビングで二宮慎矢がソファに座っていた。傍らには加藤が立っている。何かを報告しているらしい。

気怠げに背を預ける男は、すらりと背が高い。遠目に眺めるだけで、丹念に描かれた一枚の絵みたいだった。

普段ならリビングにいるはずの使用人たちの姿は、今日はどこにもない。

江森美鈴は察する。どうせ、表に出せない話だ。

彼の用事に興味はない。階段の途中でしばらく立ち止まり、話が終わるのを待った。

その頃、加藤が報告していたのは、二年前の...

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