第40章 江森美鈴、本気で俺と一緒に来る気はないか?

新谷理子はその場で硬直し、感情のコントロールすら忘れて、身体が勝手に震え出していた。

今日ここへ来たのも、二宮慎矢が結婚を承諾してくれると信じて疑わなかったからだ。

なのに今の彼は、はっきりと話をはぐらかすだけじゃない。挙げ句の果てに、あの女と結婚するとまで言って脅してきた。

江森美鈴なんかが、何の資格で。

今や何ひとつ取り柄もない女が、いったい何を盾に――?

二宮慎矢は不機嫌を隠そうともせず、江森美鈴の腕を取ってソファへ座らせると、伏し目がちに訊いた。

「怖かったか?」

江森美鈴は、間近にある眉と目を見上げる。演技は確かに上手い。今この瞬間も、瞳の奥の痛ましさや気遣いが、いか...

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