第50章 好きな女、連れて行きたい

カイエンが市外へ抜ける高速道路に乗った瞬間、江森美鈴の胸の奥で張りつめていたものが、ようやく少しだけほどけた。

腕の中では田中実里がすっかり眠っている。窓の外、木々が矢のように後ろへ流れていくのを見つめながら、美鈴は小さく口を開いた。

「……ごめんなさい。巻き込んでしまって、真田さん」

真田健太はバックミラー越しにちらりと彼女を見て、肩をすくめるように笑う。

「礼を言うのは早い。俺だって、必ず逃がせるとは限らないし」

美鈴は唇を噛み、また窓へ視線を戻した。

「私が逃げられなかったら……できるだけ、あなたに迷惑がかからないようにします」

ちょうど食事時のせいか、高速は車がまばらだ...

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