第52章 彼は、彼女の何も映さない死んだような目を心の底から憎んでいた

しばらくして、江森美鈴は視線を横へ逸らし、ほとんど虚ろなまま窓の外を見た。

穏やかな午後。窓の向こうは、陽だまりみたいにあたたかい。

ベージュのカーペット。ベッドカバーも掛け布団も、彼女の好きなピンクに替えられている。

けれど彼女の目に映るのは、冷えきった部屋だった。息も通らないほど分厚い壁に囲まれ、どこにも逃げ場がない。

ふっと、かすかに笑う。

「好きにすれば。白崎亮介を一人殺そうが、十人潰そうが……私には関係ない」

二宮慎矢の目が、ぐっと沈んだ。指先で彼女の顎を掴み、逃げ場を塞ぐ。

「言ったな。今すぐあいつを刑務所に叩き込む。この先、お前は二度と会えない」

「ご自由に」

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