第5章

 逮捕から三週間。私はN市ビジネスサミットの舞台袖に佇んでいた。

 今年最大のビッグイベントだ。来場者は二千人、さらにその模様は数百万人に向け生中継されている。

 当初、この件を公にするつもりはなかった。マーカスは私の正気を疑ったものだ。

「カーターさん、一度口にしてしまえば、もう取り返しがつきませんよ。世間中に知れ渡ることになります」

「上等よ」私はそう答えた。「思い知らせてやればいい」

 正直なところ、隠し通すことにはもう飽き飽きしていたのだ。ネイサンが三年間、私を閉じ込めていたあの暗闇の中に、彼の暴虐まで埋もれさせておくのは御免だった。彼を破滅させるなら、全世界に見せつけてや...

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