第144話:ここから彼女を連れ去らなければ

ブライオニー視点

「片づけろ。一時間後にあのお方がおまえたち二人に会う」衛兵はそう怒鳴ると、水の入った桶とぼろ布を二枚、床に放り投げた。水は石床に飛び散り、小さな水たまりをいくつも作った。

私はこれ見よがしに鎖を鳴らした。「手が届かないのに、どうやってやれっていうの?」

「自分で考えろ」彼はぶっきらぼうに吐き捨てると、足早に出ていき、背後で扉を乱暴に閉めた。

思わず笑いがこみ上げた。フレイヤは、私が正気を失ったのではないかという顔でこちらを見た。

「ごめん」私は笑いをこらえながら言った。「あいつ、あなたのことが怖くてたまらないのよ。三歩以内にも近づこうとしない。強がってはいるけど、び...

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