第160話今夜はみんな頑張ったね

ブライオニー視点

舞踏会の音楽が私たちのまわりをやわらかく漂うなか、デレクが私をダンスフロアへと導いていた。傍から見れば、私たちはきっと、ただ楽しく踊っているありふれた十代の若者に見えただろう。けれど実際には、私たちは二人とも仕事の最中だった。

部屋の隅にいる二人の人物が、ふと私の目を引いた――ブラック・オブシディアン・シティのアルファ、ヴィクターが、長老のひとりと何やら込み入った話をしている。見たところはごく自然で、いかにも何気ない会話に見えた。だが、どこか妙だった。誰かが近づいてくるたびに、二人は実に滑らかに話題を変えるか、その場を離れてしまうのだ。

〈フレイヤ、左にいるあの二人、見...

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