第172話:彼女はここにいられない

ブライオニー視点

ヴィクトリアの険しい視線は、私たちが二階へ消えるまでずっと追いかけてきた。

ルナ・イザベラは私の部屋の前で立ち止まり、盗み聞きする者がいないか確かめるように周囲を見回した。彼女の手がドアノブの上でためらうように浮く。

「先に言っておくけれど、この部屋、あなたが出ていったときのままじゃないの」彼女は小声で言った。「今日帰ってくるとわかっていたら、ちゃんと片づけておいたのだけれど」

ドアが開いた瞬間、むわっと男っぽい匂いが押し寄せてきた。部屋はまるで男の子たちのたまり場みたいになっていて、毛布やクッションが床にあちこち散らばっている。それでも、私のベッドだけはきちんと整え...

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