第85話保護なんていらない

ブライオニー視点

「番の選び方を、月の女神の祝福ではなく政治のチェスの駒みたいに扱う家もあるのよ」ルナ・セレナはため息まじりに言った。窓から差し込む陽光が、彼女の銀髪にほとんど霊妙といっていい光を宿らせている。

「本当の番を見つけるのが面倒なだけだろ」デレクが鼻で笑った。「手間がかかりすぎる、ってわけだ」

私はうなずいた。痛いほどわかる。番を見つけるのは、ただ相手と組み合わせることじゃない。互いの足を引っ張るのではなく支え合えるだけの強さを得ることでもある。

「さらに厄介なのは」ナサンが言葉を継ぐ。「“純血”の王族の血筋を推し進めて、強い子が生まれるんだと主張する連中がいることだ」

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