第118章

「盗みかどうかは、身元確認すればわかることでしょう?」

この時慌てて駆けつけた係員がこの光景を目にして、急いで前に歩み寄り、黒崎杏菜に尋ねた。

「黒崎さん、何があったのですか?」

黒崎杏菜は水原蛍を指差して言った。

「この女の手にある招待状は盗んだものよ。追い出して!」

黒の招待状を持てるのは権力者ばかりで、彼も多少は顔を覚えているが、水原蛍を見ても全く印象がなく、さらに黒崎杏菜の証言もあって、本能的に黒崎杏菜の方に傾いた。

念のため、彼は前に出て水原蛍に招待状と身分証明書の提示を求め、照合を要求した。

水原蛍が無反応なのを見て、黒崎杏菜が得意げに微笑んだ。

「だから言ったで...

ログインして続きを読む