第171章

 水原陽一はぱん、と手を打った。頭の中で断片的だった光景が一本の線になってつながり、真相の絵を描き出していく。

「12月12日、田中夢子と水原琉生が不倫をした。その夜、2人はベランダに出た。俺はそのことを知って、じいちゃんに伝えた。たぶん13日に、じいちゃんは田中夢子と揉めたんだろうな」

 そこまで聞いて、高橋逸人はあの日のことを思い出す。水原隆一が水原蛍を訪ねて来た――あれもこの件と関係していたに違いない。彼は陽一がどうやってその情報を掴んだのか、あえて問いたださず、黙って続きを待つ。

「12月13日の夜、俺は田中夢子と水原琉生の不倫ネタを柏木燕に送った。14日の昼間、田中夢子は西城...

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