第177章

高橋逸人は片眉を上げた。水原蛍が、たまらなく愛らしい。まさか、こんな一面まで隠していたとは。

彼は一歩踏み出すと、その腰をそっと抱き寄せた。

「全部、俺が悪かった。ごめん。許してくれないか?」

ついでに、少しだけ甘えるような声音になる。

水原蛍の頬に、さっと朱がさす。

「そ……その、一回だけなら、許してあげる」

高橋逸人が顔を近づけ、水原蛍はそっと目を閉じる。唇が触れ合おうとした、そのとき――

「早くチューしろよ!」

水原宇一のはしゃいだ声が、ドアの隙間から飛び込んできた。

水原蛍は反射的に高橋逸人を突き飛ばし、真っ赤な顔でドアの方をにらみつける。

高橋元もただ事ではない...

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