第194章

水原蛍と高橋逸人も、同時に村田舟へと視線を向けた。

空気が、ぴたりと止まる。

「……あれ、おかしいな。急に目の前が真っ暗になってきたな。医者に診てもらってくるよ」

そう言い捨てると、そそくさとドアを閉めて部屋を出ていった。

水原蛍は高橋逸人の上から身を起こし、何事もなかったかのように服を整えると、そのまま出ていこうとする。

「見物は終わり。私は帰るわ」

「待てよ」

高橋逸人がその手をつかむ。水原蛍が怪訝そうに振り返ると、彼は口元だけでふっと笑った。

「キスしてから行けよ」

「図々しいにもほどがあるわね」

翌日、午前。

水原蛍は高橋逸人を伴い、柏木燕の葬儀に参列した。

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