第196章

次の日。

水原蛍は会社に出社すると、さっさと残りの事務処理を片づけた。佐々木秀樹が全体を仕切り、柳田雪乃がサポートにつく。半月やそこらで大きなトラブルが起きるとは思えない。

電話の呼び出し音が鳴り、蛍は意識を現実に引き戻される。ディスプレイの表示を確認し、ふっと笑って通話ボタンを押した。

「姫宮奥様、どうされました?」

姫宮玲衣の声が返ってくる。「今夜、宝玉堂でオークションがあるの。一緒に見に行かない?」

蛍は思い出す。自分の会社に入ったばかりのデザイナーが、そのオークションに出品しているはずだ。つまり、部下の腕前を自分に品定めしてほしいというわけだ。

「いいですよ」

RME十...

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