第199章

次の日。

水原蛍はリュックの中身を整えながら、出発の支度を進めていた。入れているのは、最低限の生活用品と着替えだけ。余計なものは一切ない。

階段を降りてきた高橋逸人は、今日は髪をきゅっと高い位置で一つに束ね、ノーメイクに登山用のウェアという出で立ちだった。

いつもの華やかな装いとは違う。だが、スタイルが変わっても、その美しさは変わらない。むしろ今日は、凛とした格好よさが際立っていた。

中庭には村田舟の車が停まっている。高橋逸人に見送られながら、水原蛍は車へと向かった。乗り込もうとした瞬間、ふいに腰を引き寄せられる。高橋逸人が耳元へ顔を寄せた。

「中で何かあったら、村田志沢と村田瑠美...

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