第203章

「この中に、自分はすごいって思ってるやつがいるみたいだな。自ら仲間の荷物を引き受けて、ヒーロー気取りでお姫様を助けたいって? だったら全員だ。女子は全員、その辺の男に荷物を渡せ。思う存分ジェントルマンを気取らせてやれ」

号令が飛んだ瞬間、男たちは心の中で悪態をつき、女たちは心の中で歓声を上げた。

井浦涼真と松本敬は目を合わせ、苦笑する。教官は本当に一片の情けもない。

「井浦涼真、ごめんね……あたしのせいで……巻き込んじゃってる。あたしの荷物、返して。まだ……いけるから」

水原蛍は肩で息をしながら言った。はっきり言えば、今の彼女はほとんどお荷物で、井浦涼真に引きずられるようにして走って...

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