第205章

「お父さん、眠くなっちゃった」

水原陽一は大きなあくびをしながら、抱き上げてもらおうと両腕を伸ばし、高橋逸人の思考をわざと遮った。

水原静留もすぐに察して、つられたように口を開けてあくびをする。

高橋逸人はしゃがみ込んで、二人をひょいと抱き上げた。

「もう眠いのか?」

「うん、お母さんがね、子どもは早寝早起きしないと大きくなれないって言ってたの」

水原静留は眠たげな目をこすった。実際にはまったく眠くない。ただ、兄の意図を汲んで、合わせただけだ。

「俺も抱っこ! 俺も抱っこ!」

水原宇一が不満げに騒ぎ立てる。どうして自分だけ抱っこしてもらえないのかと、ぷくっと頬をふくらませて。...

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