第208章

一枚の枯れ葉が、ふわりと彼女の髪先に舞い落ちた。

井浦涼真は、はっとして立ち尽くす。

気付けば、まるで何かに引き寄せられるように彼は歩き出していた。次の瞬間、足元のほうきに躓き、その勢いのまま水原蛍へと倒れ込んでいく。

とっさに片腕を伸ばし、ベンチに手を突く。どうにか蛍の身体は避けたものの、その唐突な動きに蛍はびくりと肩を揺らし、視線を向けた先に、ぐっと間近に迫った彼の顔があった。

少し離れた場所で、こっそり井浦涼真の後をつけていた真壁美彩は、その光景を目にした瞬間、顔を真っ赤にして壁を拳でどん、と叩きつける。

「なにあれ……!」

足を踏み鳴らし、そのままぷんすか怒りながらその場...

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