第223章

「勝負は拳でつけるものじゃないのか」

 淡々とした口ぶりだった。

 高橋弘毅は茶碗を卓に戻し、視線を上げる。

「どうした。ルールを破ったら減点される、それだけの話だろう」

「ルール違反?」

 高橋逸人は顔を引きつらせた。やっと水原蛍と歩み寄れたというのに、早く彼女を呼び戻さなければ、自分の方が先におかしくなりそうだった。

「ひとつ伺いたいんですが。訓練キャンプの規定には、リングに上がる隊員が装飾品を身につけてはいけない、と明記されていましたか」

「蛍の指輪が護身用の武器だったとしても、規則にはっきり禁止とは書いていませんでしたよね。それに、彼女があの指輪を使ったのは、片腕を相手...

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