第224章

松本敬は、その場の状況に頭が追いついていなかったのか、東雲麻乃に腕を抱きつかれたまま、されるがままになっていた。

そして、ぼんやりと水原蛍を見つめる。

さっき、彼は水原蛍が東雲麻乃を引きずるようにしてここへ連れてくるのを見て、彼女が東雲麻乃にいじめられるのではないかと気になって、後をつけて来たのだ。だが、その末に耳にしたのは、ふたりのやり取りだった。

どうやら、自分の知っている天女さんという存在は、根本から覆されてしまったらしい。か弱くて、少し冷たいところはあっても守ってやらなきゃいけないタイプ――そう思い込んでいたのに。

水原蛍は、今の自分の姿を松本敬に見られても、ひとつも怯んだ様...

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