第226章

「むしろ、そこが水原蛍の一番ずる賢いところであり、本当の意味で頭が切れるところなのよ。まだ自分の持ち札を増やしてる最中なんだから。考えてみなよ、あたしたちみたいな普通の人間が名門に嫁ぎたいってなったら、何が必要? 顔がいいだけで足りると思う? 違うでしょ。大金持ちにとって美貌なんて、せいぜい近づくための最低条件に過ぎないんだから。

 水原蛍の本当の狙いはね、高橋家に『自分はただの花瓶じゃない』って思わせること。根性があって、実力があって、能力もあるって示したいわけ。想像してみなよ。来てまだ半月の新人が、いい成績、下手すりゃ一位なんか取ったりしたら、高橋家は彼女をどう見る? どう評価する? ...

ログインして続きを読む