第229章

 人前で「お仕置き」された東雲麻乃は、頭を抱えたまましゃがみ込み、わんわん泣き叫んでいた。だが、その様子を取り囲んで見ている者たちの中に、彼女の味方をしようとする人間は一人もいない。哀れむ声すら上がらない。

 真壁美彩は、来て早々その光景を目にした。しばらく事の成り行きを黙って見つめ、それからそっと一歩、二歩と後ずさる。

 ――後ろ盾もついた。前には勝手に罪を被ってくれる人間もいる。

 なら、動かない理由なんてどこにもない。

 水原蛍は東雲麻乃にもう一瞥もくれず、さっさと脇を通り過ぎていく。

 新田未奈の横を通りかかったときだけ、蛍はふいに足を止め、ふっと薄く笑った。

「友達にな...

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