第230章

村田瑠美は教官の後を追い、医務室へと駆け込んでいった。

毒蛇に腰を抜かし、その場に尻もちをついた速水理露は、言葉すら出てこない。彼女がそれ以上に驚いたのは、助けてくれたのが水原蛍だった、という事実だった。

水原蛍は担架に乗せられて医務室へ運び込まれる。応急処置である程度の毒は取り除かれていたが、ここから病院へ搬送するには距離がありすぎる。とてもではないが間に合わない。今できるのは医務室に運ぶことだけだった。

医務室の外は人垣ができ、誰も中へ入れない。担当医は蛇に噛まれた患者を診るのは初めてではなかったが、蝮の毒は別格だ。こうした毒蛇の咬傷は前例がなく、一瞬、頭が真っ白になる。

「蝮…...

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