第240章

「逸人、何を言ってるの? あの夜、あなたがカラオケで飲んでて、たまたまあたしもそこにいたのよ。部屋の前を通りかかったら、あなたが見えたから、ちょっと挨拶だけしようと思って入ったの。そしたらあなた、お酒の勢いであたしをソファに押し倒して、そのままあたしを抱いたのよ。あたし、抵抗しようとしたけど全然無理だった。なのに今度はあたしを脅す気なの?」

水原羽は、自分を被害者に仕立て上げるように、ぽろぽろと涙をこぼしながらしゃくり上げていた。

高橋逸人の顔色は険しい。あの夜は飲み過ぎて、細かい記憶が本当に曖昧だ。部屋の中にだって監視カメラはない。彼女が何を言おうと、こちらには反証のしようがない。

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