第266章

 ちょうど全員がそろそろ出発しようとしていたとき、また見覚えのある影が駆けてきた。水原蛍は思わず目を瞬かせる。竹田まで来たのか、と。

「わお、こんなに人いるの? やあやあ、こんにちは。蛍の友達の竹田って言います。みんな、よろしくね」

 返事をする者、軽く会釈をする者、それぞれに反応が返ってくる。

 水原蛍は視線を村田瑠美へ向けた。村田瑠美は、どこか気まずそうにその視線から目をそらす。

 ここまでくれば、蛍にはもう九割方見当がついていた。間違いなく、彼女が声をかけたのだろう。本当なら、彼女を通じて天城古雅に情報を流し、その反応を探るつもりだったのに。

 ふたを開けてみれば、見当違いも...

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