第722話

ミコの声が私の方に流れてきて、彼がその女の子と話し始めた。アレクシの異常に長い沈黙から、彼が部屋でミコの声を聞いているのだと察することができた。

「カム、もういいよ……こっちの方がいいんだ。難しくしないでくれ」彼の声は冷たくなり、今夜彼のことを頭から追い出そうという私の計画も固まった。まるでミコの出現がアレクシのクソ野郎面を引き出したかのように、さっきまで彼の声にあったほんの少しの迷いが一瞬で消え去り、私の心は沈み、気分は急降下し、彼が見事に引き出す得意の最悪な気持ちになった。

最近はただ泣いてばかりいる。そして、その原因が彼にあることは分かっている。アレクシを私の人生から切り離せば切り離...

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